薬を飲んでいる女性

避妊や月経困難症を治療する目的で、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる2種類の女性ホルモンが配合された低用量ピルが使用されています。低用量ピルは50年前に開発されましたが、副作用を減らすために改良が施されてきました。配合されている成分にはいくつかの副作用がありますが、エストロゲンには血液凝固因子を増加させて凝固抑制因子を増加させる働きがあります。エストロゲンを摂取しすぎると血液を凝固しやすくする作用によって、血栓症の副作用が出る恐れがあります。このため、避妊効果を保ちつつエストロゲンを減らすように改良が施されてきました。

低用量ピルは開発された時期ごとに、第一世代~第四世代に分けることができます。新しく開発されたものほどホルモン剤の配合量が減らされていて、一番新しい第四世代のヤーズは1錠中に配合されているエストロゲン量が30μg以下の超低用量に入ります。ヤーズは1錠中に配合されているエストロゲン量は20μgで、従来の低用量ピルと比べて減らされています。ホルモン剤の配合量が少なくても成分が調整されているため、避妊や月経困難症の治療効果は変わりません。

ヤーズの特徴は、1錠中に配合されているエストロゲン量が減らされている代わりに休薬期間が4日間と短めに設定されていることです。ちなみに、従来の低用量ピルの休薬期間は4週間中7日です。配合されているホルモン量が少なくて休薬期間が短めに設定されていることで、月経周期内のホルモン変動を少なくすることができます。ホルモン変動が大きいと体に負担になりますが、ヤーズは変動の幅が小さいので体への負担が少ないというメリットがあります。ピルを飲み始めるとホルモンのバランスが大きく変化することで頭痛や腹痛などの副作用が出る場合がありますが、ヤーズは副作用が出にくくて負担が少ないので安心です。

ヤーズには抗ミネラルコルチコイド作用があり、むくみが起こりにくいというメリットもあります。抗ミネラルコルチコイド作用は他の種類のピルにはなく、むくみの副作用に悩んでいる女性におすすめです。ヤーズは避妊以外にも月経困難症にも高い効果があり、月経困難症の治療目的に限り日本国内で保険適応が認められています。避妊ではなくて治療が目的でピルを服用するのであれば健康保険が使えるので、3割負担で済みます。健康保険が適応されるので、お財布の負担も軽くすることができるというメリットがあります。

第四世代のヤーズには多くのメリットがありますが、副作用が出す場合があるので注意が必要です。マイナーな副作用として、不正出血・浮腫(むくみ)・吐き気があります。飲み始めたばかりの方であれば、最初の1シートまたは2シート目ぐらいまでは少量の不正出血が認められる場合があります。ほとんどの場合、不正出血は3シート目までに収まります。飲み忘れ・遅れでも不正出血が起こるので、服薬期間中は決められた時間に忘れずに飲むことが大切です。

ピルを服用し続けると、脚や顔のむくみの症状が出る場合があります。ヤーズを服用してもむくみ(浮腫)が起こる恐れがありますが、第三世代以前と比較すると浮腫が起こりにくくなっています。ヤーズは他の女性ホルモン剤と比べて浮腫が起こりにくいので、体への負担を軽くすることができます。ピルに含まれている女性ホルモンには、血液を凝固させる作用があります。第四世代であればホルモン剤の配合量が減らされていますが、それでも血液が凝固することで血栓症を起こす恐れがあります。特にふくらはぎの静脈に血栓ができる場合が多く、発症すると太ももの腫れや強い痛みの症状が出ます。特定の条件にあてはまる女性は血栓症を発症するリスクが高くなることから、病院やクリニックでは処方されない場合があります。